こだわり

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はじまりは、“メーカーの顔が見える”お酒づくり

日本酒の新しい飲み方を提案し、ロングセラー商品となったワンカップ大関。開発のはじまりは、意外なアイデアにあった。 日本酒の新しい飲み方を提案し、
ロングセラー商品となったワンカップ大関。
開発のはじまりは、意外なアイデアにあった。

はじまりは、“メーカーの顔が見える”お酒づくり

ワンカップ大関が誕生する前の頃、大関10代社長・長部文治郎は、宴席などでいつも、ひとつの疑問を感じていました。
それは、日本酒が徳利で出されるため、どのメーカーのお酒かが、わからないということでした。例えば、同じお酒でも、ビールやウイスキーはラベルの入った瓶で出てきます。しかし日本酒の場合は、なかなか一升瓶では出てきません。なんとか、メーカーの顔が見える容器で日本酒を売れないか?ひらめいたのがガラスコップ。コップをそのままお酒の容器にして売り出すという開発コンセプトが生まれたのでした。そこで、社内では議論の末、8つの開発ポイントを策定し、様々な試行錯誤の上、1964年に販売されたのが、ワンカップ大関です。

日本酒は、なぜ徳利か?そんな着目が、ロングセラー商品の発端なのでした。

開発の8つのポイント 開発の8つのポイント

1 若者をターゲットにする2 立ち飲みイメージを払拭する。3 コップで飲むことをカッコ良くアピールする。4 中身は一級酒。5 ワンタッチで開けられる蓋にする。6 容量は1回の飲酒として適当容量(180ml)。7 広口瓶を使う。8 機能的なデザインを重視する。
  • 1
    若者をターゲットにする
  • 2
    立ち飲みイメージを払拭する。
  • 3
    コップで飲むことをカッコ良くアピールする。
  • 4
    中身は一級酒。
  • 5
    ワンタッチで開けられる蓋にする。
  • 6
    容量は1回の飲酒として適当容量(180ml)。
  • 7
    広口瓶を使う。
  • 8
    機能的なデザインを重視する。
開発の8つのポイント

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容器も口当たりの良さを追求

ワンカップ大関にとって、トレードマークとも言えるガラスの容器。昔と今では、飲み口の形が違う点は、あまり知られていない。 ワンカップ大関にとって、
トレードマークとも言えるガラスの容器。
昔と今では、飲み口の形が違う点は、
あまり知られていない。

容器も口当たりの良さを追求

いまやカップ酒と言えば、すぐにガラスカップの容器がイメージできます。
しかし開発当時は、まったく新しいお酒の容器をつくるわけですから、具体的なイメージが浮かばない状況。
そんな時、大関が取引している容器をつくる会社が、ジャムの広口瓶を製造する機械を導入するという話しが舞い込み、その容器を応用することが決定しました。
ただし、中身はジャムでなくお酒。
キャップにゴムの臭いがしてもダメ。容器の飲み口部分も口当たりの良さが求められます。
そんなこんなで、容器の飲み口は、発売当時と現在では、モデルチェンジがなされています。
容器だって、味のこだわりアイテムのひとつ。
それがワンカップ大関です。

03

より安全に、簡単に、プルアップキャップ

消費者にとっては、“簡単”にワンタッチで開けられるワンカップ大関のキャップ。製造側にとっては、“簡単”ではない苦労があった。 消費者にとっては、“簡単”にワンタッチで開けられる
ワンカップ大関のキャップ。
製造側にとっては、“簡単”ではない苦労があった。

ワンカップ大関の開発で、苦労したのがキャップの製造です。
当初は桃の瓶詰め用の容器を採用しようと考えましたが、キャップの内側にゴムのパッキングが付いており、ゴム臭がするので、お酒にふさわしくないと判断。
そこで、ジャムの広口瓶を応用することになり(詳細は、「容器も口当たりの良さを追求」を参照)、アルミキャップとなりました。
しかしキャップについては、密封が不完全、静電気でパッキンの切りクズがお酒に入る、開けるときの安全性など、様々な経験があり、これまでに4回の改良が加えられています。
お客様にとって、より便利に、簡単にお楽しみいただく。
そのための経験に基づく創意工夫がワンカップ大関のキャップには込められています。

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今も昔も変わらないラベルデザイン

日本酒なのにアルファベットのロゴ。昭和39年発売当初としては、画期的で斬新なラベルが目を引いた。21世紀の今も変わらない、元祖”ワンカップ”。 日本酒なのにアルファベットのロゴ。
昭和39年発売当初としては、
画期的で斬新なラベルが目を引いた。
21世紀の今も変わらない、元祖”ワンカップ”。

ワンカップ大関が発売された1964年当時、日本酒のラベルと言えば、漢字やひらがながほとんどでした。
その頃、インク瓶のようなブルーに白抜き文字、しかもアルファベットの商品ロゴは、かなり大胆なデザインです。
デザインを担当したのは、当時、東京芸大教授だった小池岩太郎氏と東京女子美大教授の松川烝二氏の二人です。
その後、ラベルデザインは、現在も発売当時と同じです。
ラベルのプリント方式は、発売当初はガラス瓶に直接印刷されていましたが、1973年から紙ラベルとなり現在に至っています。

変えるものは、よりよく変える。
変えないものは、大切にする。
そのこだわりが、ワンカップ大関のポリシーです。

05

飲むだけじゃない、見ても楽しめるワンカップフォト

1973年、ワンカップ大関はラベルのプリント方式を瓶へのプリントから紙ラベルに変更。このことが、思わぬ副産物を生み出した。 1973年、ワンカップ大関はラベルのプリント方式を
瓶へのプリントから紙ラベルに変更。
このことが、思わぬ副産物を生み出した。

ワンカップ大関のラベルプリントは、発売当初は瓶に直接印刷する方式が採用されていました。
ところが1973年、オイルショックを背景に、焼き付けコストのかさむため、紙ラベルへの変更を余儀なくされました。
そこで、社員があることに気づきました。紙ラベルになると、ラベル裏側は白地。しかも透明カップのため、まるでレンズのような効果がある。そこで、ひらめき!!
ラベルの裏に写真を刷り、飲酒の雰囲気づくりを演出するアイデアが登場。日本の風景や祭りなど6種類の写真を使ったラベルが売り出されました。
名付けて「ワンカップフォト」。
現在もビジュアルを変え、ワンカップフォトは、続けられています。

時代の流れや機能の変更など、状況の変化から、新しい魅力を生み出していく。
ワンカップ大関のスピリットは、今も生き続けています。

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ジャンボやミニなど兄弟もいます

1964年、ワンカップ大関誕生から約半世紀。味もサイズも、価格も多彩に。そして原点である、新しい日本酒スタイルの提案は、今も続く。 1964年、ワンカップ大関誕生から約半世紀。
味もサイズも、価格も多彩に。
そして原点である、
新しい日本酒スタイルの提案は、今も続く。

1964年の発売から今日まで、ワンカップ大関は、いまやファミリーとも呼ぶべき多彩なバリエーションを持つようになりました。
発売当初の容量は180ml。
今やミニサイズの100mlから、ワンカップジャンボの300mlまでサイズも豊富。
酒質についても、ワンカップ純米酒やワンカップ大吟醸など、お好みに合わせて多彩な味を提供しています。

ワンカップ大関の開発の発端は、コップをそのまま容器にして、お酒を売るということ。
いわば、「新しい日本酒スタイル」の提案でした。この思いは、今も変わりません。

ワンカップ大関は、これからも新しい日本酒スタイルを追い求め続けます。